2020年4月8日、ついに待望の楽天モバイルがMNOとしてサービス開始しました。国内では4社目のMNO(ん……他にもあったような)、一体どんな姿を見せてくれるのか。世間は某流行で大変な状況ではありますが、特に遅れを取ることもなく予定通りスタート。
楽天モバイルのエリアマップを確認する
2020年4月16日現在の関東エリアはこのような感じ。東京23区を中心に神奈川、千葉、埼玉の一部のみ“楽天回線エリア”としてサービスインしているようです。幸いなことに私の住んでいる地区もこのエリア内になっており、楽天モバイルから初日にSIMカードが届いてすぐにセットアップしました。
また、“楽天回線エリア”の市区町村名はこちらのページでリストアップされています。ただ広い範囲でしか判断できないため、市区町村名が掲載されているからといって必ずエリア内だとは言い切れないです。
エリアマップは信用できるのか?
「住んでいる地区はエリアマップ内なのに、楽天回線(Band 3)を掴まない」といったような報告をSNSで目にするようになり若干不安ではあったのですが、残念ながら予想が的中してしまったようです。
4月8日当日、予め用意しておいた楽天モバイルから発売されているOPPO Reno Aに楽天モバイルSIMを挿し、電源を起動。すると初めからパートナー回線(パートナーとは「au」のことです)にしか接続されません。何度か機内モードをオンオフしてみたものの掴まず。ベランダから外に出ても掴まない、これは一体……。
恐らく付近に楽天モバイルの基地局が一切なく、電波が飛んできていないのだと想定できますが、であれば何故エリアマップ上でエリア化されているのか。
ということで気になって仕方がなく、政府から緊急事態宣言がされている中ですから不要不急の外出はNGですので、食材の買い物時に付近を調べてみることに。屋外だからOKという理論は通用しないので、朝と夕方を避けて日中にしてみました。ちなみに、OPPO Reno Aではパートナー回線であるauの電波も拾ってしまうため、auのBand 18を掴まず楽天モバイルのBand 3を掴める手っ取り早い機種……ありました。SIMロック解除済みのドコモ版Galaxy S10 SC-03LにSIMカードを挿し替えています。
掴まなかった原因:付近に基地局がなかったから
まず自宅から外に出ると、Galaxy S10 SC-03Lで楽天モバイルの電波を微弱ながらも掴みました。難しい用語を出しますが、ServiceModeの画面上ではRSRP -111、RSRQ -16、SNR -2.4といった具合(注:ServiceModeはSamsungの機種で見られる接続中の電波状況などを確認できるもの)。とりあえず近場には基地局がなく品質が悪いことはわかりました。この時点で楽天モバイルの電波を掴んでいることには違いないため、エリアマップ上きちんと塗られていても問題ないのですが、この品質ではau回線に繋がってしまうことも納得できます。
そして、最終的に電波の強い方向へ進むと楽天モバイル基地局を発見。Twitterなどでは電波に詳しい方がコン柱(コンクリート柱)タイプが多いと言われていたので、目線は10数m上を気にしていましたが、マンション屋上に設置されていたのは迂闊でした。というのも、電波の弱い場所から直線距離でも1.5km以上離れていたわけです。単純試算すると30m以上級の高さに設置されているので、高層ビルやマンションがないエリアでは、平気で1km〜2kmほど電波が飛んでいることがわかりました。この高さだと鉄塔タイプの基地局と同じくらいのパワーがあると考えても良いのではないでしょうか。マンション屋上恐るべし。
ちなみに、写真ではアンテナが2つしか写っていませんが、反対側にもう1つ設置されていて3セクター構成の基地局でした。(注:場所は公開すべきではないと思いますのであえて書きません。ご了承ください。)
端末で電波状況のチェック
Galaxy S10 SC-03LのServiceModeで状態確認してみたところ、流石に基地局の近くでは良い品質でした。この状態であれば通信速度も期待できるのでは?と思い、スピードテストもしています。
この基地局の電波が届く範囲を試算
今回基地局を探すにあたっては、G-NetTrackというアプリを起動しながらマップ上に電波強度を記録させていました。スクリーンショットを掲載すれば楽なのですが、基地局の位置など全て見えてしまっているため、雑コラレベルですがイラストを描いてみました。(雑すぎるぞ!というお声もあるかと思いますがご容赦下さい……)
先ほど説明した楽天モバイル基地局の位置から、地図上で約2km離れた地点Aでも同基地局からの電波を確認することができました。このマンションの屋上は地上から約30mほどと見られますが、周囲に高層ビルやマンションといった建造物がほとんど見られず、直線距離2kmの地点Aでも電波を拾えているのだと推測できます。
また、一般的に電波は高い周波数であると直進しやすいといった性質を持っているため、楽天モバイルが保有しているBand 3(1.7GHz帯)が今回の結果を導いているとも想像できますね。(※厳密には違う理論があるかもしれませんが、ここでは一般論とさせて下さい)
恒例のスピードテストをしてみると
SIMカードを挿している機種のスペックにも依存しますが、Galaxy S10 SC-03Lに挿した状態では下り165Mbps、上り56.2Mbpsとなかなか良い結果になりました。もちろん既存MNOが展開しているCA時には劣りますが、Band 3単体接続で考えると十分な結果になったと思います。
このように楽天モバイル回線(Band 3)に接続されている場合、UN-LIMITプランなので通信データ量は消費しない状態になります。ただし、1日に大量にデータ通信すると制限を掛けられるといったこともあるようです。
楽天モバイル(Band 3)の通信速度については、知り合いが書いた投稿がありますので、興味がある方はこちらのサイトもご覧ください。
まだまだ基地局数が少ない楽天モバイル
今回は苦戦しながらも楽天モバイル基地局を発見できましたが、まだまだ基地局数が足りていない現状です。あえて辛口で書きますが、エリアマップ上ではエリア化されているようになっていても、実態は楽天モバイルの電波が弱く品質が悪いため、端末はオートで接続することはほとんどありません。
サービス開始したてでパートナー回線のauに頼らざるを得ない状態ではあるものの、地形だけを考慮したような雑なエリアマップには疑問が残ります。私の周囲にも基地局工事をしている人がいるので、開局までは苦労の積み重ねであることは知っているのですが、本当に現地調査しているのかな?と思わず言いたくなるレベルです。
先日のガイアの夜明けでは楽天モバイルについて取材された様子が放映されました。一応録画もしておき、リアルタイムで見ていたのですが、やはり電波の不感地帯には苦戦していた模様で、担当者の苦労も垣間見えました。ですが、高層ビルの内部などをじっくり調査したような様子は尺の関係なのか放送されることなく、いまいちユーザー目線でしっくり来なかったというのが本音です。
長々と書いてしまいましたが、初年は無料で使えるなど楽天らしい戦略でスタートしたMNO。これからも日々アップデートが繰り返されていくと信じ、期待したいと思います。
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