声で家電操作する生活、ちょっと憧れますよね。「OK Google、電気をつけて!」、「アレクサ、テレビを消して!」などといったようなテレビCMでも良く目にする光景。最近は家にいる時間も増えてきたので、少しでも快適に生活をしたい…ならば手っ取り早くスマートホーム化の第一歩を実現しましょう!
ということで、SONYから発売されているマルチファンクションライト MFL-1000Aのレビューをお届けします。
SONY マルチファンクションライトとは?
SONY マルチファンクションライト MFL-1000Aとは、マルチファンクションユニット(LGTG-200)とLEDシーリングライト(LGTC-30)がセット販売されているものです。どちらも基本的に必須のため、単品で購入する場合でも2つ揃えて実用できるような商品になっています。(そもそも単品購入できるのかどうかは不明)
SONYが手掛けているIoT製品の一種ともいえるマルチファンクションライトは、付属のリモコンでの点灯/消灯はもちろんのこと、専用のスマートフォンアプリや声での操作(Google アシスタント、Amazon Alexa)に対応しているところが特徴です。
また、このシリーズは第二世代となっていて、前期モデルのマルチファンクションユニット(LGTG-100)との組み合わせとしてLEDシーリングライト(LGTC-10、LGTC-20)が2種類存在していたのですが、すでにAmazonでは在庫切れとなっているようで、家電量販店等で売れ残りがあればラッキーな感じでしょうか。もし在庫が復活していたらリンクを貼るようにしますが、すでに生産終了している可能性もあります。
ちなみに、私の自宅はこの組み合わせ(MFL-1000A)が初めてではなく、初期モデルのマルチファンクションユニット(LGTG-100)とLEDシーリングライト(LGTC-20:12畳用)をすでに使っています。名称と型番が混ざってきて分からなくなりそうなので、以下で型番の整理をしておきます。
「また買うの?」と思われてしまうかもしれませんが、せっかくなら2部屋ともに……ということで、後継モデルとして登場したマルチファンクションライト(MFL-1000A)も購入してみることにしました。
余談ですが、このシリーズのLEDシーリングライトとマルチファンクションユニットの組み合わせはそれぞれ互換性があるため、例えば前期モデルのLEDシーリングライト(LGTC-20)と後継モデルのマルチファンクションユニット(LGTG-200)の組み合わせでも問題なく動作しています(2020年5月5日現在)。したがって旧モデルを購入済みで今ご利用の方も、後からMFL-1000Aを購入して組み合わせを変更して継続利用するといったことも可能です。
- 第二世代:
①MFL-1000A = マルチファンクションユニット(LGTG-200) + LEDシーリングライト(LGTC-30)※10畳用
②MFL-100B = マルチファンクションユニット(LGTG-200?) + LEDシーリングライト(LGTC-30?)
※②のMFL-100Bはエントリーモデルとされていて、①のMFL-1000Aから一部機能が省かれているようです。ただしマルチファンクションユニットとLEDシーリングライトの型番は同一のようです。
※また①と②では価格差も生じていて、本来であれば②の方が安価だと思うのですが、Amazonと家電量販店のオンラインストアを比較すると①のMFL-1000Aの方が安くなっています。調べてみたものの②のMFL-100Bは存在意義がちょっと分からず。 - 第一世代:
③マルチファンクションユニット(LGTG-100) + LEDシーリングライト(LGTC-20)※12畳用
④マルチファンクションユニット(LGTG-100) + LEDシーリングライト(LGTC-10)※8畳用
早速設置してみた
まずもって最重要ポイントはここ。天井に設置されているソケットが「引掛シーリング」であるかどうかを確認しましょう。(JIS規格でいうところのJIS C 8310シーリングローゼット)
築年数の古い建物だと稀にこれではないタイプのソケットが設置されていますので、部屋のソケットは事前に確認してから購入しましょう!
続いて引掛シーリングに対して付属しているアダプターを取り付けます。アダプター側に引掛刃がついているのでしっかりはめて、時計回りに少し回してカチッと音がすればOKです。
取り付けたアダプターに対してLEDシーリングライト本体を取り付けます。そのまましっかり持ち上げてカチッとはまればOKです。
この時点ではまだ本体がグラグラと揺れていたりクルクルと回転する状態になっていると思いますので、天井に向かって本体をさらに押して持ち上げます。すると、少し強めの音でカチャッとはまる音がして、天井との接地面がしっかり密着され、本体が固定されればOKです。
なお取扱説明書によれば、22mmの引掛シーリングの場合はこれを2回カチャッと音がするまで押し込む必要があるようです。ご自宅の環境に合わせて対応しましょう。
ここで宙に浮いてしまっているケーブルをコネクターにカチッと差し込みます。写真のように奥まで差し込まないとカチッと音が鳴りません。
ここまでできたらセードを取り付けましょう。時計回りに回すと固定されるので、床に落ちてこないかどうかをチェックしておきます。
最後にマルチファンクションユニットを取り付けて作業完了です。こうしてみると、まだ点灯させていないもののオシャレな感じです。
壁スイッチから電源オンにしてみる
取り付けた部屋のスイッチをオンにすると照明が点灯します。付属しているリモコンについてはこのようなシンプルでコンパクトなタイプ。iPhone 11 Proとほぼ同じ縦サイズです。
1分程度時間が経過すると「ポーン」というサウンドが鳴り、マルチファンクションユニットの準備が整った合図です。ここからの詳細セットアップはAndroidもしくはiPhoneにて専用アプリをインストールし、行っていきます。
と、その前に先にライトの変化を確認しておきたいと思います。写真で撮影するのが至難の業で、目で見たときの色とは少し違っているのですが、この状態は白色100%で明るさも最大にしています。
電球色100%に切り替えた状態。オレンジの色味が強く出ます。夕方から夜にかけては暖色の方が落ち着くので、よくこちらも使っています。
ちなみに、白色から電球色の間には21段階切り替えることもできますので、白一色でもなくオレンジ一色でもなく、好みの色味に設定しておくことができます。
さらにLEDならではの明るさ変更ですが、これは20段階まで調整することができます。細かい設定ができるのもLEDを採用している特徴ですね。
夜は常夜灯をつけないと眠れないという方も安心。常夜灯については3段階の調整ができますので、これも好みの明るさに設定できます。
アプリでのセットアップ
ここからはマルチファンクションライトをアプリから操作するためのセットアップについて手順を追いたいところですが、結構時間もかかり項目も多いことから詳細は取扱説明書を見ていただければと思います。ほとんどはアプリ側に表示される指示通りに手順を進めていくこととなります。
一点補足しておくと、マルチファンクションユニットをWi-Fi接続する工程でこけてしまうことが多く、原因はよく分からなかったのですが、そのような場合はめげずに一度壁スイッチをオフにしてから再度オンにし、1分ほど待機して「ポーン」と音が鳴るまで待ちましょう。そこからアプリを立ち上げ直してみて、再度接続検証を行ってみてください。(ひどいときは2〜3回連続で失敗することもありました。どうにか改善されると良いです。)
MF light
Sony Network Communications Inc.無料posted withアプリーチ
アプリの操作性
無事にアプリのセットアップができるとこのような画面が表示されます。画面上部には室温、湿度、明るさが表示されるようになっていて、下部には利用できる機能の項目が並んでいます。
モニタリング:24hの室内状況記録
「モニタリング」機能では温度(室温)、湿度、明るさの24時間の変化をグラフで確認することができます。欲を言えばここで収集されたデータをAPI連携させて、Googleスプレッドシートに書き出しできると良いなと感じています。スマートリモコンの先駆けでもあるNature RemoはそういったAPIも提供していたかと思います。
ちなみに、このマルチファンクションユニットはLinuxベースのOSで動作しているらしいので、そういったことは技術的に十分可能ですので、今後のアップデートに期待しています。
照明:電気の明るさや色味を自由自在に
「照明」機能では照明のコントロールと細かい設定ができるようになっています。①〜⑤までのシーン別に好きな状態で登録することもでき、またアプリ上から常夜灯の明るさも3段階で調整可能です。スライダーなので自由なのかな?と思いきや、ここはリモコンと同様に3段階の明るさ調整になっていました。アプリ上のコントロールですと視覚的にもわかりやすく、リモコン操作よりも希望の状態に一発で変更できる点は便利に感じています。
タイマー:自動で○○する
いくつかのモードが用意されている 平日のみ朝7時に照明をつける設定 常夜灯を朝5時に消灯する設定
「タイマー」機能ではその名の通りタイマーをセットし、指定した時間にあるアクションを動作させるためのものです。たとえばおはようモードでは、起床時間に合わせて目覚まし代わりにサウンドを鳴らし、さらに照明を点灯させるといったことが自動でできてしまうのです。本来であれば太陽が昇ってきて自然光で目が覚める方が良いのですが、多少日当たりが悪くても照明が代わりに起こしてくれます。なんて便利なんだ!
余談ですが、このとき照明を15分前から徐々に明るく点灯させるモードもオン・オフが選べるようになっており、いきなりぱっと明るくなるようなことも避けられるので、良くできていると思います。このような操作は残念ながらリモコン上ではできないため、アプリからの操作が必須です。
それから、カスタムモードでは指定した時間に「サウンド」「照明」「テレビ」をどうコントロールするかを予め決めることができます。たとえば夜間に点灯させている常夜灯を指定時間に消灯する、といったことも可能。
とにかくこの辺りは人によってライフスタイルも異なるため、自由に組み合わせて設定できる点が強みだと思います。MFL-1000Aを購入したら必ず使ってみてほしい便利機能です。個人的にはこれだけのために購入しても良い、とも思えるレベルです。
ミュージック:Bluetoothで音楽再生やテレビを楽しめる
「ミュージック」機能も目玉機能のひとつで、マルチファンクションユニット(LGTG-200)はBluetooth接続で音楽を聴くことができ、低遅延のaptX LLに対応しています。
通常の音楽鑑賞はもちろん、テレビの音声も天井スピーカーから再生することができます。テレビと接続するためには別途aptX LL対応のBluetoothトランスミッターを購入する必要があります。
残念なことにスピーカー性能はそれほど期待するほどではなかったので、私の場合は専らテレビの音声を天井から再生できるように設定して使っています。TaoTronicsから発売されている製品が比較的安めで入手できたので、以下にリンクを掲載しておきます。
※2020年5月5日現在、Amazonの商品ページから500円オフクーポンが発行できるようでお得になっていました。
テレビ:チャンネルや音量を操作できる(※有料)
「テレビ」機能はテレビリモコンの代わりにスマホから操作できる機能で、14日間のトライアル期間が終了すると希望する場合は有料で継続することになります。ですが、2020年5月5日現在、SONY マルチファンクションライトの公式ページを参照すると、本来1500円のライセンスが掛かるテレビ機能がSONY指定の購入証明をメール送信することで無料になる特典つき! 突然終了することもあるようなので、購入された際には是非お早めに。申込み方法は下記のPDFに記載されています。
2020年12月3日追記:後継機種が登場し、無料キャンペーンは終了したようです。
AIスピーカー:GoogleアシスタントやAmazon Alexaを使えるようにする
「AIスピーカー」機能では、「OK Google、〜〜」や「アレクサ、〜〜」で代表的な声による操作を可能にします。ソニーアカウントかGoogleアカウントでログインしておきましょう。
Google アシスタントの設定について
大前提として、Google アシスタントを利用できるスマートスピーカーを用意しておいてください。私の家にはGoogle Home miniが数台とGoogle Nest miniが数台あるので、基本的にはこれらのスピーカーを通してデバイスを操作することとなります。以下は参考までにスピーカー例です。
Google アシスタントで操作できるようにするためには、別途Googleから提供されているGoogle Homeアプリをインストールしておく必要があります。細かい設定方法はここでは省略します。
Google Home
Google LLC無料posted withアプリーチ
Google Homeアプリでは上のスクリーンショットのように部屋ごとにデバイスの管理をし、マルチファンクションライトのオン・オフを行うことができます。もちろんGoogle アシスタントに対応したデバイスは他のメーカーからも多数出ているため、それらも追加して使用できます。
- 「OK Google、電気をつけて」→自動で照明がオンになります。
- 「OK Google、電気の色を白に変えて」→自動で照明の色が白になります。
Amazon Alexaの設定について
Google アシスタントと同様に、大前提としてAlexaを利用できるスマートスピーカーが必須です。Amazonからいろんな種類のEchoシリーズが発売されています。以下は参考までに。
こちらも同様にスマートフォンへAlexaアプリをインストールして設定する必要があります。
Amazon Alexa
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Amazon Alexaアプリでもグループの管理、照明やその他テレビのコントロールもできるようになります。(予め前述したテレビ機能を有効にしておく)
- 「アレクサ、電気を消して」→自動で照明がオフになります。
- 「アレクサ、テレビをつけて」→自動でテレビがオンになります。
改善してほしい点
実際に数ヶ月間使ってみているので、その中で気づいた点やもっとこうあってほしい内容も書き記しておきたいと思います。
夜間に通信が切断されると青色ランプが眩しい
マルチファンクションライトはアプリから操作するにしても声で操作するにしても、基本的にWi-Fiに接続されていてはじめて成立します。まれにルーター側の調子が悪いせいかWi-Fi接続が切断されることがあり、その際にWi-Fi接続されていない状態だとステータスとして青色ランプが点灯するようになります。
お知らせとして点灯するのは良いのですが、夜間寝ようとしているときに頻繁に点灯してしまうことが多々あり、意外と眩しい光なので気になって眠れないことがありました。暗い部屋の中でまず青色の光というのは非常に目立ちますし、ちょっとビックリすることもあり、部屋の明るさに応じて明るさを変えられるようにするか、もしくは指定した時間帯はステータスのランプを点灯しないようなモードがあると嬉しいです。
初回だけとはいえ、初期設定(Wi-Fi接続)が失敗しやすい
初期セットアップは誰しもなるべく簡単に済ませたいものです。ところが肝心のWi-Fiルーターとの接続時に少し難あり。これはアップデートとともに改善していく可能性は高いのですが、なかなかWi-Fiルーターと接続しないことが何度かありました。
ルーターとの相性もあるのか、アプリ側の問題なのか、はたまた仕様なのかどうかはわかりませんが、できるだけすんなり設定できると良いなという感想でした。
アプリから接続されなくなることが多い
これも一つ致命的ではあるのですが、アプリからマルチファンクションライトを操作したいときに限ってなかなか繋がらないことがあります。ずっとグルグルとローディングアイコンが回り続けていることもあり、こちらの通信環境のせいかな?と思うこともあるのですが、その他の端末ではインターネットなど特に問題なく動作しているため、これが原因だとは少し断定しづらい状況です。
次期モデルでの期待
これはLGTG-200への期待というよりも次回作(LGTG-300?)への期待を込めての話になりますが、たとえば「他のデバイスも自由にコントロールできる」ような機能(赤外線で操作できる端末の操作)や、Wi-Fiの規格はIEEE 802.11a/b/g/nに対応してほしいなと思っています。個人的にできる限り2.4GHz帯は使わないようにしているため、5GHz帯もサポートしてくれると嬉しいです。このあたりはコストカットの側面もあるのではないかなと推測しますが、できれば今後は対応してほしいと願うばかりです。
あとは、前述していますが室温、湿度、明るさのデータをAPI連携できるようになると良いなと思ってます。何かしら活用する方法ってありますよね。ライト層だけのターゲットではなく、私のような機械好きな層にも響くような機能を提供してもらえるとなお嬉しいです。
総評:価格相応の機能が使え、スマートホーム化の第一歩を踏み出せる
数ヶ月間に渡ってSONY マルチファンクションライト MFL-1000Aを使ってきています。シーリングライトそのものは生活に欠かせないもの(=普段から意識しているものではないが、無いと困るもの)でもあり、出かける際や就寝時には照明を操作する機会が出てくるため、これをリモコンだけではなく声で操作できるのは非常に便利。また、それだけではなくスピーカーを搭載していたり、テレビを操作したりすることができるのは面白みもあってワクワクします。
また、室温や湿度、明るさといった情報をモニタリングできる点も面白みがあって好印象でした。何かに凄く影響を与えるものではないですが、データをもとに生活改善していくことにも繋がりました。(例としては、湿度が低い→加湿器をつけよう、といった行動)
結論、普通のシーリングライトとして捉えるのではなく複合的なデバイスだと思って捉えると、コストパフォーマンス抜群ではないでしょうか。
ひとこと
定期的にAmazonタイムセールの対象になっていて、26800円→24800円のときはお買い得です。
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